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「未来へつなぐ安心航路」──日本海事代理士会創立50周年記念フォーラムに参加して

令和7年10月1日,日本海事代理士会は創立50周年を迎えました。ワタシは昨年度登録したばかりの新参者ですが,本会が節目の年を迎えたことに,先輩たちのこれまでのご活躍に敬意を表したいと思います。そして昨日,東京で開催された記念フォーラムに出席してまいりました。

会場には多くの来賓の皆様をお迎えし,松井会長をはじめとする役員の方々のご臨席のもと,厳かながらも未来志向の雰囲気に包まれていました。フォーラムは,会長および来賓の皆様のご挨拶に続き,東京海洋大学教授・竹本孝弘氏による基調講演,そして海洋冒険家・白石康次郎氏による記念講演が行われました。

竹本教授の講演では,海難分析や船員教育,安全運航の現場に根ざした「シーマンシップ」の本質について語られました。特に,小型旅客船事業における安全管理の現状と課題に触れながら,制度や教育のあり方がいかに海の安全を支えているかを,具体的な事例を交えてご説明いただきました。ワタシ自身,海事代理士として日々「海の安全」に関わる立場にありますが,改めて現場の声に耳を傾けることの大切さを実感しました。

続いて登壇された白石康次郎氏の講演は,まさに“海と向き合う覚悟”そのものでした。極限の環境での単独航海を通じて培われた安全意識は,単なる技術や知識を超えた「生きる力」として胸に響きました。海を恐れず,しかし侮らず,常に敬意を持って向き合う姿勢に,ワタシも深く共感しました。

その後のパネルディスカッションでは,小型旅客船事業者,保険,教育,法律の各分野の専門家が集い,「未来に向けてのシーマンシップ」をテーマに議論が交わされました。海洋教育のあり方や,体験活動と安全確保の両立など,現場の課題と展望が多角的に語られ,ワタシも多くの気づきを得ることができました。

海は,物流,観光,漁業,そして私たちの暮らしに欠かせない存在です。しかし同時に,自然の脅威と常に隣り合わせでもあります。気候変動や海難事故のリスクが高まる今,海上での安全確保はますます重要な課題です。

今回のフォーラムを通じて,ワタシは「未来へつなぐ安心航路」という言葉の重みを改めて感じました。それは制度や技術だけでなく,人の意識と覚悟によって築かれるものです。そしてその道は,海事代理士としてのワタシ自身の歩みにもつながっていると感じました。

まだまだ学ぶべきことは多くありますが,50年という歴史の節目に立ち会えたことを誇りに思いながら,ワタシも次の世代へと安心をつなぐ一員として,日々の業務に真摯に向き合っていきたいと思います。

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