相談者ゼロでも,実りある相談会
昨日は,ワタシが所属する「コスモス成年後見サポートセンター」の無料相談会で,相談員を務めてきました。
コスモス成年後見サポートセンターは,高齢者や障がい者の方々が,個人の尊厳を保ちながら,自分の意思に基づいて安心して,その人らしい生活を送ることができるよう,財産管理や身上保護を通じて支援することを目的とした団体です。平成22年8月に日本行政書士会連合会によって設立されました。
いわば,成年後見制度などを通じて,高齢者や障がい者の権利を守る活動を行っている行政書士の団体です。
コスモスみやぎでは,仙台市内のとある老人福祉センターで,月に一度,相続,成年後見,遺言など,いわゆる「終活」に関する無料相談会を開催しています。
ワタシも年に2,3回,相談員を務めています。そして昨日が,その当番の日でした。
一緒に相談員を務めたのは,ワタシより若い先輩行政書士です。
この先輩は経験が豊富で,いつも仕事について貴重なアドバイスをくださる方です。
ところが,昨日の相談会は,結論から言うと「相談者なし」。見事なまでの「ボウズ」です。
当日は猛烈な暑さに加えて,時折,夕立のような雷雨まで降る不安定な天候でした。
これでは,お年寄りもなかなか外出しませんわな。
というわけで,予定していた相談時間は,ほぼ丸々,先輩行政書士との雑談に費やされることになりました。ただし,この「雑談」が侮れません。単なる世間話ではなく,お互いの仕事に関する経験談や,これまで扱ってきた案件についての話です。
ワタシと先輩とは経験値が違います。いろいろな案件を経験しているからこそ出てくる話には,実務書を読んでいるだけでは得られないリアリティがあります。
特に驚いたのは,先輩が扱っている業務の幅広さです。ワタシも自分のことを「雑食系行政書士」などと称していますが,先輩はまさに「オールラウンダー行政書士」。
行政書士の業務範囲の広さを,そのまま体現しているような方です。
「好奇心旺盛で,何でも手を出してしまうんですよ」
と笑っておっしゃっていました。
しかし,ワタシは思います。
「好奇心だけでは,ここまでできないよなぁ」
新しい仕事に興味を持つことと,実際に調べ,勉強し,依頼を受け,最後までやり遂げることは別物です。その積み重ねが,豊富な経験につながっているのでしょう。
また,ワタシが普段から疑問に思っていることについても質問すると,一つひとつ丁寧に考え方を教えてくださいました。
相談者はゼロ。
相談会としては,完全な「ボウズ」です。
ところが,ワタシ自身は,かなり充実した時間を過ごすことができました。
「今日は相談者が来なかったなぁ」と残念がるどころか,終わってみれば,ワタシにとっては「先輩行政書士による無料相談会」だったようなものです。
行政書士の仕事は,法律や制度を知っているだけでは務まりません。
実際の現場でどのような問題が起きるのか。依頼者とどう向き合うのか。そして,想定外の出来事にどう対応するのか。そうした経験の一つひとつが,行政書士としての引き出しを増やしてくれます。昨日は相談者がいなかったからこそ,その貴重な経験談をじっくり聞くことができました。得しました。
そう考えると,「相談者ゼロ」も,悪くありません。
ただ,次回の相談会では,やっぱり相談者には来ていただきたいと思いました。やはり,本来こういった相談を必要としている方のお役に立ちたいですよね。

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