走り続ける後輩たちと、「金は出すけど口は出さない」大人の流儀
昨日、母校の陸上競技部後援会の打ち合わせがありました。
ワタシが現役だった頃、母校の陸上部は東北大会に出場できれば上出来、というレベルでした。ワタシは中長距離をやっていましたが、県大会では決勝までは進むものの、どうしても入賞圏内の6位には届かない、東北大会へは進めない,いわば「あと一歩」が足りない選手でした。まあ,陸上競技をやっていただけで胸を張って言える戦績はない「ヘボ選手」ということですね。
ところが、今の母校は違います。2年前にはインターハイに18名が出場する強豪チームとなり、昨年も1名がインターハイに駒を進めました。いまや県内でも注目される存在なのです。高校時代スタンドから眺めていた景色とは、まるで別世界のようです。
そんな後輩たちの活躍を支えるため、10年ほど前に有志の先輩方の声がけで「母校の陸上部を勝手に応援するための有志の会」という後援会が発足しました。ワタシは独立をきっかけに、後援会を手伝っていた友人から声をかけられ、事務局としてお手伝いすることになりました。
友人はまだ,地元で忙しく働くビジネスマン。定年退職し、比較的時間の融通がきく自営業のワタシに白羽の矢が立った、というわけです。ワタシ自身、再び陸上競技に関われることが純粋にうれしく、二つ返事で引き受けました。以来、県の高校総体や新人戦には競技場へ足を運び、スタンドから後輩たちに声援を送っています。
ワタシたちの後援会の最大の強みは、「集金力」です。陸上部のOB達に幅広く支援をお願いし,毎年、県高校総体後に激励会を開き、遠征費などの補助として支援金を渡しています。その金額がなかなかのもので、2年前にインターハイ出場者が多数決まった際には「緊急募金」を実施し、校長先生から直々にお礼の電話をいただくほどの支援を行うことができました。
我々の後援会の最大の方針は明確です。それは,「金は出すけど、口は出さない。」ということ。そして,例外的に口にしてよいのは、「ガンバレ」と「おめでとう」だけ。
先輩達にできるのは,ただ、「信じて応援する」これだけです。これがワタシたちなりの“大人の余裕”であり“矜持”です。スタンドから声を張り上げながらも、心のどこかで一線を引いている。その距離感が、実に心地よいのです。
昨日は新年度に向けた打ち合わせということで、お世話役の大先輩を含め8名が集まりました。真面目な議論のあとは、後輩たちの活躍を祈りつつ楽しい宴席へ。春の気配を感じるこの時期に、何とも温かな時間を過ごすことができました。
こんな楽しい時間は,勤めていた会社を退職し、行政書士として独立したからこそ得られたものだと思います。会社員時代であれば、ここまで継続的に関わることは難しかったでしょう。いまは自らの裁量で時間をつくり、仕事にも全力を尽くしながら、こうして母校を応援することができます。
そして、ふと考えます。
この後援会の姿勢は、行政書士の仕事にもどこか通じるものがあるのではないか、と。
お客さまのお困りごとについて、最終的に決断されるのはあくまでご本人です。ワタシが物事を決めるわけではありません。ワタシの役割は、制度や選択肢を整理し、方向性を一緒に考え、その実現をお手伝いすることです。
主役は常にお客さま。
ワタシはその少し後ろを走る伴走者のような存在です。必要なときに背中を押し、ゴールに向かう道のりを共にする。それがワタシの仕事だと思っています。
一生懸命仕事をしながら、後輩たちの活躍に思いを馳せる。
そんな時間を、これからもずっと大切にしていきたいと思います。
