固定電話,その悩ましい立ち位置
昨日のブログで「ひよこ狩り」の話を書いたばかりでしたが,今日も午前中にまた同じ類いの電話がかかってきました。ワタシの場合,ホームページや名刺には固定電話,携帯電話,FAXの3種類の番号を載せているため,こうした「ひよこ狩り」の電話はたいてい固定電話にかかってきます。相手はすでにワタシの名前や住所を知っているので,無碍に切ることもできず,状況を説明して丁重にお断りしました。
固定電話にかかってくるのは,これだけではありません。最近は特殊詐欺に類する電話が実に多いです。自動音声で「厚生労働省」を名乗り,健康保険証に不正があるので停止する,とか,「総務省」を名乗り,マイナンバーカードが乗っ取られた,といった内容がひっきりなしにかかってきます。「よく考えるな」と呆れるほど多様ですが,こうした電話が後を絶たないということは,実際にだまされる方が一定数いらっしゃるという証でもあり,本当に胸が痛みます。
詐欺は,傷害や強盗,殺人等の凶悪犯罪に比べて軽く見られる傾向がありますが,だまし取られる金銭の問題だけでなく,被害者や家族の心に深い傷を残す点で,極めて凶悪な犯罪だとワタシは考えています。被害弁済がなされない悪質な事案については,強盗や殺人と同等の重い刑罰も必要ではないかと思います。
さて,話を固定電話に戻します。今や知人から固定電話に連絡が来ることはほとんどなくなりました。メールやチャットの普及により,電話そのものの使用頻度が減り,かかってくるのは迷惑電話か,せいぜい世論調査くらいです。固定電話が世論調査に利用されるのは,市外局番がわかるため地域ごとのデータが取りやすいという理由があるようですが,実際に応対するのは高齢者が多く,調査結果の偏りという問題も指摘されています。
では,固定電話はいらないのでしょうか。最近は,行政書士仲間でも携帯電話だけを公開し,固定電話を載せない人が増えています。しかし,実際には固定電話経由で仕事の依頼をいただくことも少なくありません。特に年配のお客さまは固定電話でお電話されることが多いです。また,FAXも思いのほか使用頻度が高いのが実情です。ワタシの事務所の電話はIP電話になっていますが,電話とFAXがセットなので,電話だけを解約しても経済的メリットはほとんどありません。
さらに,固定電話には「腰を据えて事務所を構えている」という信頼感を与える効果もあります。特にご高齢の方からの信頼は軽視できず,行政書士として活動するうえで大きな意味を持っていると感じます。 そうした理由から,当面は固定電話を使い続けようと思っています。しかし,迷惑電話の多さを考えるとやはり頭が痛い問題です。番号をブロックしたり,警告音を出したりといった対策もありますが,結局はいたちごっこで,手間ばかりかかるのが実情です。どなたか,もっとよい方法をご存じでしたらぜひ教えていただきたいものです。
