小さな背中がつないだ大きな勝利
久しぶりにテレビの前でスポーツ中継を見て,心の底から感動しました。
以前、ブログにも記しましたが,ワタシは,かねてからアスリートが試合後のインタビューで口にする「感動を与えたい」という言葉に,少し違和感を覚えてきました。
感動というのは与えられるものではなく,見ている側の心の奥底から自然に湧き出るものではないか,と常々思っていたのです。ところが,先日の女子バレーボールの試合は,まさに「感動」と呼ぶにふさわしい戦いでした。
現在,タイで開催されているバレーボールの世界選手権大会で,日本女子代表は決勝トーナメントに進み,9月3日にオランダと対戦しました。バレーボールは身長の高さがきわめて重要な競技です。日本は男女ともに過去にはオリンピック金メダルを獲得した歴史があるものの,近年は欧米勢との体格差に苦しんできました。この日のオランダもまさに「高さ」を最大の武器にしており,日本は試合前から「日本,ちょっと不利じゃね?」と思わざるを得ない状況でした。
試合が始まると,オランダは高さのあるスパイクとブロックで力強く攻め立てます。日本は一見劣勢に見えましたが,鋭いサーブで相手を崩し,連携の速いコンビネーションで食らいついていきました。その攻防の中で,私が感動したのは,選手一人ひとりのひたむきな姿勢でした。拾って,つないで,また拾う。何度も「もう駄目か」と思う場面を全員で乗り越えていく姿勢こそが,日本チームの真の強さだったのです。
試合はフルセットにもつれ込み,最後は日本が気迫でオランダを振り切りました。テレビの前の私は,思わず立ち上がって拍手を送っていました。これこそが,ワタシが心から「感動した」瞬間でした。単なる勝ち負けを越え,選手たちの姿が胸に迫り,「困難に立ち向かう勇気をもらった」とさえ思いました。
明日の夜には,さらに大きな山場,準決勝が待っています。相手は日本よりもランキングが上のトルコ。決して楽な戦いではないでしょう。それでも,彼女たちがまた全員でボールに向かい,戦ってくれることを信じています。そして歓喜の瞬間を信じ,テレビの前から「ガンバレ,日本!」と声援を送りたいと思います。

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