こんな行政書士はイヤだ!~「残念な行政書士」とならないために~
先日,YouTubeを見ていたときに「残念な行政書士5選」という番組に出会いました。そのタイトルを見た瞬間,思わず昔の日曜夜に放送されていたビートたけしさんの番組でやっていた「こんな○○はいやだ」というコーナーを思い出し,懐かしい気分になりました。
実際に番組を視聴してみると,「確かにそうだよな」と大きくうなずける内容ばかりで,とても共感させられるものでした。
そこで,「ではワタシ自身はどう考えているのか」と思い,自分なりに同じ切り口で整理してみることにしました。
1.業務に関わりのある試験科目の知識を完全に忘れてしまう
正直に言って,これはワタシ自身も「ドキリ」とさせられました。冗談めかして「試験勉強で覚えたことなんて全部忘れました」と言うことがありますが,実際は笑えない現実です。
日常業務で使わない分野は,時間が経つとどうしても忘れてしまうものです。だからこそ,定期的な学び直しが必要です。特に民法のように頻繁に使う分野であっても「慣れているから大丈夫」と過信せず,常にブラッシュアップを心掛けることが大切だと痛感しています。
2.スケジュールを守ることができない
これはサラリーマン時代から徹底的に指導されました。当時は上司や同僚にフォローしてもらうこともありましたが,独立した今はすべて自己責任です。
ワタシはスマホのスケジューラーを使い,業務を細かく管理していますが,それでも入力漏れや確認不足があれば意味がありません。結局のところ「自分を律する姿勢」が問われるのだと,日々自覚しています。
3.ミスした際の対応が不誠実
「士業は安易に誤りを認めるな」と言われることがあります。しかしワタシは,人間である以上ミスは起こりうると考えています。大切なのはミスに対し誠実に向き合うことです。自分の非がある場合には潔く非を認め,被害を最小限に抑えるために迅速に手を打つ。その姿勢こそが次の信頼につながると思います。また,行政書士には賠償責任補償制度といった仕組みもあるので,万一に備え,責任を果たせる環境を整えておくことも欠かせません。
4.SNS等で行政書士の品位を落とす発言をする
SNSは便利な道具ですが,公の場で不用意な発言をすれば,それは「自分で自分を貶める行為」にほかなりません。誰も得をせず,自分の信用を失うだけです。
ましてや士業は「信頼を売る職業」です。SNSでの軽率な発言は致命的になりかねません。自戒を込めて,ワタシは「心ある行政書士は決してこのような行為はしない」と信じていますし,自分自身も常にそうありたいと考えています。
5.犯罪に手を染める
残念ながら,行政書士に限らず他の士業でも不正や犯罪行為が報道されることがあります。士業は社会からの注目度が高いため,一度でも不祥事を起こせば本人だけでなく,その職域全体の信用を傷つけてしまいます。つまり,個人の過ちが仲間全員の信頼を損なうという重い責任を背負っているのです。そのことを常に意識し,襟を正して業務に臨まなければならないと思います。
こうして振り返ると,どれも「当たり前」と思える内容ばかりです。しかし,当たり前だからこそ日常の中で油断しやすいとも言えます。
ワタシは間違っても「残念な行政書士」と呼ばれることがないように,日々学びを重ね,誠実で責任ある仕事を心掛けたいと思います。そして何より,お客さまから「この人に頼んでよかった」と思っていただけるような行政書士でありたいと考えています。
