海事代理士試験の特徴
海事代理士試験に挑戦するにあたり,海事代理士試験を概観すると,以下のような特徴があります。
1.試験は筆記試験と記述試験の2段階試験
海事代理士試験はまず,筆記試験が課せられ,その合格者は国土交通省本省で行われる口述試験を受験します。筆記試験の合格率は50%程度で約半分がふるい落とされます。二次試験と言える口述試験は、通常の合格率は98%程度で,ほとんどの受験者が合格するのですが,令和3年度のように61%と非常に低い合格率だったこともあります。この理由については,ワタシなりの見解がありますが,これは別稿にて詳述したいと思います。
2.過去問は繰り返し出題される
海事代理士試験では,筆記試験,口述試験とも過去問が頻繁に再出題される傾向があります。2年続けて同じ問題が出ることも珍しくないので,各科目(法令)について基本的内容を理解したあとは,とにかく,過去問を繰り返し演習することが合格への近道です。
3.出題形式は科目によって全く異なる
通常,このような資格試験というのは統一された出題形式で行われるのが普通です。例えば行政書士試験では配点300点満点中240点分が5択,多肢選択式のマークシート,60点分が記述式で出題されます。しかし,海事代理士試験は,科目毎の出題形式が大きく異なります。短答式(記述式,選択式),○×式(単純な○×と,2問の組み合わせで4択にしたもの),記述式,計算問題など様々な形で出題され,バラバラです。また,海事代理士試験は,受験者も少なく,採点は国土交通省の職員が普通に行っていると思われるにもかかわらず,一部はマークシート形式で塗りつぶす方式となっており,初めて受験すると戸惑うかもしれません。
4.試験は平日に実施される
行政書士とか宅建とか,通常の資格試験というのは,多くの受験者が受験しやすいように,土日に大規模な会場で実施されます。これに対して,海事代理士試験は平日に地方運輸局の試験場で実施されます。国土交通省では海技免状や小型船舶操縦免許の試験も実施しており,各地に試験場が設置されています。ワタシが受験した令和5年の東北地区では受験者は20名弱。全国でも出願者が約500名,実際の受験者は400名程度と少人数の試験であるため,大規模会場は必要ないのでしょう。

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