ワタシの人生観を変えたマンガ
会社の友人が急逝してしばらくした頃,一冊のマンガに出会いました。それが,柳沢きみおのエッセイ的作品『大市民』です。
主人公は,人気小説家・山形鐘一郎。40代後半にして月に400万円以上を稼ぐものの,4人の妻(3人は内縁関係。4人の妻は本妻を含め皆仲良し)と,11人の子供(認知済。全員が男)がいるため,実際に自分の手元に残る収入は30万円ほど。仕事場は原宿にある四畳半の古いアパートで,食事は主に自炊。ビールと寿司をこよなく愛し,クラシックカーとダンディズムを大切にする人生の達人です。そんな彼と,アパートの住人たちが織りなすエピソードの数々が,「幸せとは何か」「人生において大切なものとは何か」を改めて考えさせてくれるのです。
山形は,「ただ漠然と一流大学・一流企業を目指すことを,三流の生き方」と軽蔑し,「大工や料理人など,職人としてものを生み出す生き方こそが一流だ」と語ります。彼の生き方を目の当たりにすることで,私自身もこれまでの人生を振り返り,「このままでいいのか?」と考えることが多くなりました。そして,「これからの人生をどう生きるべきか」「自分にとっての幸せとは何か」「豊かさとは何か」と,深く思索するようになり,人生観が大きく変化したのです。
私のサラリーマン人生は幸せなものでしたので,会社を辞めようとは思いませんでしたが,働く上での根本的な価値観に関しては,間違いなくこのマンガの影響を受けました。そして,60歳のときに「会社を離れ,自分自身のセカンドキャリアを歩む」と決めたのも,この作品の影響が大きいと感じています。そういう意味で,『大市民』は私の人生に大きな影響を与えた,まさに「人生観を変えたマンガ」です。この作品に出会えたことに心から感謝しています。これからも,自分なりの物差しで豊かさや幸せを考え,歩んでいきたいと思います。
ちなみに,作品は全10巻。もう絶版になっているので,紙の書籍は古本を探すしかありませんが,Amazonのプライム会員になっていれば,Kindleの読み放題で無料で読むことができます(他のいくつかのマンガサイトでも無料で読めるみたいです)。興味のある方はご一読ください。あなたの生き方にも新たな気づきがあるかもしれません。

コメントを残す