ご高齢の「おひとりさま」のお手伝いをしています(後編)
生前事務委任契約の一番のお仕事は,委任者(=お世話をしている方)のお金の管理(財産管理)です。委任者から通帳などの貴重な財産をお預かりしており,高い信用と倫理観が求められる責任の重い仕事です。その上で,毎月定期的に発生する費用の支払い,ご本人が入院中に必要となるお金の管理など,多岐にわたる業務があります(細かい作業が多くあります)。口座からお金を下ろすたびに記帳し,使途を記し,毎月委任者に報告します。また,委任者から大切な通帳をお預かりしているので,盗難や紛失しないよう厳重に施錠し,保管します。また,通帳と印鑑,キャッシュカードは別な場所で分散して保管するように心がけています。
委任者の方とは,最低月一回面談(ワタシは極力「月2回」面談するように心がけています)し,上記の財産等の管理状況を報告したり,ご本人の希望や意向を確認したり,ご本人の意思判断能力が適切かも確認します。また,ご本人より要望があれば面談の回数を増やし,本人に代わって諸手続等を行います(軽易なものであれば,買い物も引き受けます)。先日,委任者の方が手術を行ったときには,委任者に同席し,医師の手術の説明にも立ち会いました。
委任者とは1月に契約を締結し,3ヶ月が経過し,かなりリラックスしてお話ができるようになってきました。非常に明るく,意思表示がはっきりした方で,面談していてあまり気を遣わない方です。数独やクロスワードパズルが大好きで、クイズ屋のワタシとも話が合います。こういった、パズルのようなアタマを使う遊びをされていることは脳の老化を防止する上でもとても良いことだと思いますので,これからもずっと「続けていただけるといいな」と思っています。この方は、ワタシがはじめてお手伝いをさせていただく方なのですが,毎月,面会に行きお話しすることが楽しみですし,多少なりとも社会のお役にも立てているようなので,素晴らしい仕事だと感じています。
今,この仕事をしていて,心がけているのは「委任者を自分の家族だと思って親身にお世話をする」ことです。口に出して言うのは簡単ですが,知り合ってからの期間も短く,契約上の制約や,費用の問題もあるので,すべてを家族と同等に接することは難しいかもしれませんが,自分が労を惜しまなければ対応できることについては、労を惜しまず対応し,委任者の方に喜んでいただきたいと考えています。

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