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「どこに住むか」は人それぞれ――自分の「都」は自分で選ぶ

政治評論家の宮崎健介さんが,テレビ番組の中で鳥取県を「何もない」と発言したことが波紋を呼び,ネット上で炎上しているそうです。宮崎氏はその後,「地方の価値を軽んじたつもりはなかった」と釈明していますが,地元の方々が反発するのも無理はありません。たとえ冗談であっても,誰かの故郷を否定したり,軽んじるような発言は,多くの人の心を傷つけるものです。

けれど,ワタシはこの問題を通して,「どこに住むのが正解なのか」という議論自体に少し違和感を覚えます。都会がいいのか,地方がいいのか――そんなことに優劣をつける意味はあるのでしょうか。住む場所は人それぞれの事情や価値観で決めればいい話で,他人がランクづけするようなものではないと思うのです。

若い人には刺激の多い都会が魅力的に映るでしょうし,年齢を重ねるにつれて,静かな環境や地元への愛着を大切にする人も増えていくでしょう。また,高齢者にとっては近所で買い物ができ,医療機関や公共交通が整っている都会の方が便利で安心できる,という現実的な理由もあるでしょう。結局のところ,「街の魅力」や「住みやすさ」とはその人のライフステージと価値観によって決まるものです。

ワタシは10年ほど前,47都道府県の完全踏破を達成しました。日本中,多くの街を歩いてきましたが,日本中,それぞれの良さがあり,「日本は広い」と感心していました。鳥取県にも行き,米子駅前の居酒屋でノドグロをはじめとする美味しい魚料理を堪能したことを覚えています。また,翌日に訪れた松江は,穏やかで美しい城下町でした。

サラリーマン時代には秋田や能代で単身赴任を経験しました。単身赴任は,とても寂しく感じされ,大嫌いでしたが,地元の人たちは皆親切で,食べ物も美味しく,日本海に沈む夕日は息を呑むほど美しかったのを覚えています。

このほかにも学生時代や,サラリーマン時代に東京や盛岡での暮らしも経験して来ましたが,ワタシは,これから,それらの都市で暮らしたいとは思いません。それは,今,仙台の暮らしにとても満足しているからです。家から少し歩けば地下鉄が走り,便利な都会の暮らしと田舎の自然あふれる豊かな暮らし,その両方を味わえるからです。少し車を走らせれば温泉や海に行けるし,スキーも楽しめます。都会の空気を吸いたくなったらなら新幹線で2時間もあれば東京です。

この「ちょうど良さ」が,ワタシにとっての理想の暮らしなのです。

だからといって他の土地を否定するつもりはありません。鳥取に住む人,秋田に住む人,それぞれが「ここが一番」と思える場所がある。日本中どこのまちだって,そこに暮らす人にとっては「都」なのだと思います。

ワタシは行政書士として,仙台という街で地域の方々と関わりながら仕事をしています。それぞれの「自分の都」で安心して暮らしていけるように,そして,この街で生まれる小さな夢や希望を形にできるお手伝いがしたい。これからも,地域の皆さまの想いに寄り添う仕事を続けていきたいと思います。

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