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ワールドシリーズの歓喜と,日本野球への複雑な思い

アメリカのメジャーリーグ,ワールドシリーズが第7戦までもつれ込み,ドジャーズが見事に連覇を果たしました。両チームの実力が拮抗した試合は,手に汗握る熱戦の連続で,日本で同時期に行われていた阪神対ソフトバンクの日本シリーズが,ややかすんでしまうほどの盛り上がりでした。

特に第3戦は延長18回,試合時間6時間を超える死闘。まさに“野球のすべて”が詰まったような名勝負で,ワタシも固唾を呑んで観戦しました。おかげで仕事はすっかり滞ってしまいましたが,ワールドシリーズが終わった今,ようやく現実に戻ってきたところです。

今回のドジャーズ連覇の立役者は,何といっても日本人選手たちでした。

大谷翔平選手は「スーパーマン」のような活躍ぶり。投打二刀流でチームを牽引し,第3戦ではホームラン2本,二塁打2本を放ち,5打席以降は4連続申告敬遠という“完全お手上げ”状態。まさに敵からも敬意を払われる存在でした。

そして山本由伸投手。ドジャーズの4勝のうち3勝を挙げ,シリーズMVPを獲得。さらにリリーフで安定した投球を見せた佐々木朗希投手の存在も光りました。「日本人ここにあり」と強烈な印象を残した大会だったと思います。

日本人選手がメジャーリーグの舞台で堂々とトップレベルの活躍をしていることは,本当に誇らしいことです。

しかし一方で,ワタシの胸には少し複雑な思いもあります。

今の日本プロ野球は,まるでメジャーリーグの“二軍”,つまり優秀な選手を供給する機関のような存在になりつつあるのではないか――そんな寂しさを覚えるのです。

かつての日本野球は,王,長嶋,野村といったスーパースターが国内でしのぎを削り,球場が夢と興奮で満ちていました。ところが今では,才能ある若手が「いつメジャーに行くか」という話題が中心になっています。

これは,かつてJリーグがたどった道と似ています。

サッカー日本代表の主力は,今やほとんどが海外組。世界で活躍する姿は誇らしいものの,国内リーグが“世界の片隅のローカルリーグ”になってしまったような一抹の寂しさを感じます。

とはいえ,日本のプロ野球やJリーグが価値を失ったわけでは決してありません。

ワタシも地元・仙台の「ベガルタ仙台」を応援していますが,スタジアムで声をからして応援しているときの一体感や高揚感は,スペインやイングランドの熱狂的サポーターに勝るとも劣らないと思います。

また,プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスの試合で,家族連れや年配の方々がユニフォーム姿で球場に向かう光景は,まさに「地域の文化」と呼ぶにふさわしいものです。

野球やサッカーのグローバル化が進むなかで,少し寂しさを感じることもあります。
それでも,ワタシにできることは結局のところ,ひいきのチームを応援することだけかもしれません。

世界の舞台で羽ばたく日本人選手にエールを送りながら,同時に,地元のクラブやチームを全力で支える――。
それが,グローバル時代を生きるファンとしての“ささやかな誇り”であり,“楽しみ方”なのだと思います。

ワールドシリーズで見せた日本人選手の輝きに胸を熱くしつつ,ワタシは今日もまた,地元チームの勝利を願いながら,スタジアムで力一杯応援をしたいと思います。

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